家具工房ハガクレの名前の由来は、「ハガクレ武士道」です。
主君への忠誠心のあり方を説いた、江戸時代の武士の教科書のようなものでした。
私も、主君に忠を尽くすごとく、自然環境に忠を尽くす、という意味で考えました。
デンマークでは、初給料でインテリアを揃えるという話を聞いたことがあります。寒くて部屋にいる時間が長い国だから、自分のいる「場所」を買うそうです。座る道具として椅子を買う私達とは、異なる価値観を感じられますね。
そして、「古いものこそ美しい」という価値観も持っているそうです。
我々の国では、新しいものが好まれます。
利益主導の素材で作られた建物をクラッシュして建て直したり、飽きやすく壊れやすい安いモノを捨てて、新しい安いモノを買うことを繰り返しています。
確かに、新しさは一時的に気持ちがいいものですが、すぐに慣れてしまうものですし、新しい場所ために捨てられるゴミの処理に、多くの労力や税金が使われます。排出されるCO2量も大量消費によって増える一方です。
欧米化前の日本は、もう少し循環型社会だったはずです。
そこで、私にできることは、高価ですが代々、直しながら使える長く捨てられない家具を作る事で、安価な捨てられる家具を減らす事に尽きると考えています。
新しい素材で新感覚を生み出すようなことよりも、経年美化を感じられるモノを作り出したい、壊れても修復可能なモノづくりをしたい‥
そんな活動を始めた頃は、50年以上先の話と考えていましたが、若い世代の動向を見ると、もう少し近い将来になるのではないかと期待する気持ちが強くなってきています。
古いモノを捨て去り新しい「場所」を作るよりも、古いものを活かし美しさを感じることができれば、自然資源の乱獲や大気汚染につながる大量消費から脱却できると思います。
自分の意識を変えるだけなので、以外と簡単なことなんじゃないでしょうか
あなたには、何が出来ますか?
家具工房ハガクレ 松倉